Bibliographical introduction to major literature on art education in Japan
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Bibliographical notes list on key literature on art education in japan
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「自然体験の不足・疑似体験の日常化」という近代化と共に生まれたとされる《四本足のニワトリ》現象は、危機意識の象徴として80年前後のジャーナルを賑わせたことがある。 だが、高度成長期に育った大学生たちの描く《四本足のニワトリ》が意味するところは、それは単なる彼ら自身の自己表出であり、常に私たちも《四本足のニワトリ》現象の中を生きているのだということの提示でもある。 つまり、観察力や表現力の稚拙さを描画の単純な問題として片付けられないことを本書は示そうとしたのである。 編者が「錯綜した時代に生きる私たちは、常に難問解決の当事者であるという自覚を持って、広義の教育を次へと進めることが必須であると思う。」と重く語りかける。 結局、炙り出される私たちは、改めてルソーとチゼックを繋ぐ「子ども発見」の子ども観、教育観にまで立ち返らなければならないのだろう。 《四本足のニワトリ》を鍵語とした5氏のオムニバスは、読む人に現代から未来への色あせない教育の方向性を多くの視点から示している。なぜなら、《四本足のニワトリ》が私たちに提示した社会と教育への警告は、少なくとも教育現場においては解消された状況にはないからである。 本書の二年後に出版された続編ともいえる「緑色の太陽」(同社2000)と合わせての再読をお勧めする。特に、近年の学力低下論について多くの示唆が得られるはずである
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