Bibliographical introduction to major literature on art education in Japan
PageNAVI - ホーム→日本芸術教育主要文献解題一覧→小学校・中学校 美術講話資料 逸話評伝編 上(東洋編)・下(西洋編)
Bibliographical notes list on key literature on art education in japan
著者・グループ名から探す - Search by Author
解題者名から探す - Search by Bibliography writer
出版社名から探す - Search by Publisher
学校美術協会を主宰した後藤福次郎による美術講話集で、小・中学生を対象に教師が作家の評伝を語ることを目的としてまとめられた書籍である。「講話資料」であり、図版の掲載は全くない。 自序では「小学校中学校の図画手工教育が、描きあるいは作るという、いわゆる『実習』のみに終始していた従来の状態に、大きな欠陥のあることは誰しもが認めるところで、今や、他にさらにそれと共に『見せること』『聴かせること』の重要さが叫ばれている」と述べており、作品鑑賞への興味を高める趣旨がここにある。 内容は、「東洋編」では「雪舟の話」「若冲と鶏」「北斎伝」「芳涯伝」「雅邦伝」などがあり、物語風に平易に書かれている。特に、狩野芳涯や橋本雅邦の評伝では、明治初期の画壇やフェノロサとの関係、東京美術学校設立の経緯がていねいに、かつわかりやすく書かれている。 「西洋編」では、「レオナルド伝」「ミケランジェロ伝」「ミレー伝」「印象派の話」「セザンヌ伝」などがあり、代表的作家を選定し、紹介している。印象派では、当時酷評されたモネやマネなどの画家が「狂人」扱いされたことなど、話題性のある記述となっている。 この2冊の著書は、後藤福次郎の博覧強記のなせる技であり、それを評伝風に書きつづることのできる筆力によっている。 (にいぜき しんや・滋賀大学)
前の解題を読む Previous page
次の解題を読む Next page
一覧ページに戻る List page
トップページに戻る Home