Bibliographical introduction to major literature on art education in Japan
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Bibliographical notes list on key literature on art education in japan
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1918年に山梨県の現・藤沼町に生まれ100年余の児童画の歴史のうち60年余を実体験した著者が1987年に上越教育大学の退官を記念し、1万余冊の蔵書「熊本文庫」によって醸成された見識、1984年の『美育文化』誌での10回の連載、それまでの10数年にわたる「美術科教育法」の講義の集大成としてのB5判319頁の大著である。「著者の収集した」児童画の作例や図版を各頁にいれ視覚的に理解が深まるよう工夫されている。 書きおろされた「児童画の歴史アウトライン」、既発表の著作を編集した「児童画指導のパイオニア」と「児童画に関するエッセイ」の3章構成で、1世紀あまり前の「子どもの絵は価値のないもの」から「美術として魅力あるもの」という児童画認識の大転換が底流にあることを色濃く感じさせている。 著者が1931年(昭和6)年に小学校卒業以後、1933年の青山師範学校等での活動をリアルに記した「昭和前期・著者の体験」をはじめ、戦後(1945年以降)の創造美育協会や新しい絵の会の運動、1965年のINSEA東京会議などを当事者として熱く語っているのが特徴的である。とりわけ「戦時下の児童画指導」を1・2章でとりあげ、樺島勝一のペン画「 敵中横断三百里」と当時13歳の著者によるその模写作品を掲載することにより、「世界中の子どもたちが平和で楽しい絵を描き続けられることを切望してやみません」という1章巻頭の末文に未来を見通した卓見を感じる。
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