Bibliographical introduction to major literature on art education in Japan
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Bibliographical notes list on key literature on art education in japan
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戦後の新しい版画教育は、児童の再発見という立場から出発した。時を同じくして、昭和27年、20数年小学校の普通学級を担任してきた著者は、特殊教育というまったく未知の分野に、なんの経験も予備知識もないまま足を踏み入れることとなる。当初は失敗の連続だったが、そのころ教育版画協会の全国大会で大田耕士氏の話に感動し、特殊学級に版画を取り入れてみようと決意する。 ところが、まったく版画に興味を示さない子どもたちに出鼻をくじかれることとなるが、子どものできることを見つけ出そうという著者の姿勢が、新しい版表現の世界と障害のある子どもたちの成長を拡大していく。 筆者は、「ちえの遅れた子どもの造形活動が遊びであったり、自己の露出であったり、自己投影の刹那的な発散に終わり、すぐ消えるたぐいのものであっても、子どもの個性が表現されたものとして、それ自体、価値あるものでないか」と投げかけてくる。また、「具体的な世界にすんでいるちえの遅れた子どもにとって、造形活動はものを認識し、把握する動きと同時に、心の開放へつながる重要な役目を果たしている」ことを子どもたちの成長を通して実証していく。 後半は、実践から生み出した様々な版表現の指導のコツを分かりやすくまとめている。 折しも、特別支援教育が2007年度からスタートしようとしている今、障害児教育のあり方を再考させる一冊である。
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